北朝鮮 金ロイヤルファミリーと日本、今後の関係

「張成沢粛清事件」


張成沢　前国防委員会副委員長
金日成の一人娘・金敬姫の夫として政界に進出。2011年の後継者問題で金正恩を推薦。金正日の死後、張成沢は金正恩の後見人となり、党行政部のトップに就いた。党、政府、軍を人事も含めて掌握し、中国とのパイプ役として貿易、外交も主導し、絶大な権力を誇った。しかしその一面の裏で中国のスパイとも噂された。

2010年
柳敬　保衛部第一副部長（※小泉首相訪朝実現の立役者）
2000年頃から張成沢と韓国情報機関のつながりを裏付ける証拠を入手。
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張成沢、柳敬を韓国からの帰国時に「対韓国政策を漏洩したスパイ罪」で逮捕、銃殺刑。
この事件以来、軍は張成沢に復讐するタイミングを伺っていた。


北朝鮮当局者（匿名）証言
「張成沢は将軍様の愛した普天堡電子楽団と旺載山音楽団のうち、自分が可愛がっていた者たちだけを残し、ほかのメンバーは一般社会に戻してしまった。そして、残したメンバーたちを週に1、2回のペースで開くパーティーに出席させ、将軍様とまったく同じように振る舞っていたのです。海棠花グループの副社長・韓明姫は張に一般大学生や新人映画女優など、彼の好みに合った女性を200人以上も紹介した。そのうち100人を超える女性が、張と夜をともにさせられたのです。
金正恩は張の行状に、不快感を募らせていました。金正恩と張は、本来なら毎日顔を合わせる間柄です。しかし張は次第に遠ざけられ、何日も会わないこともあった。張も自分の身辺に若干の不安を感じるようになりました。2013年2月初旬には、それまで自分が受け取っていた党・軍・政府のいっさいの報告資料を金正恩に直接上げるよう指示し、同じ月、金正恩は彼の行状を徹底的に調べるよう、保衛部に極秘指令を下しているのです。」


張成沢の中国への経済開放の影響
・漁業
中国船に北朝鮮周辺の海で漁を認めたところ、中国の大型漁船に根こそぎ乱獲され、小舟で漁をする北朝鮮漁民が暮らすすべをなくした。漁業は軍の貴重な外貨源でもある。

・鉱業
北朝鮮国内の鉱山について、北朝鮮労働者を雇う条件で、中国側に採掘を認めたところ、中国軍傘下の企業が中国人労働者を多数送り込み、北朝鮮労働者が職を奪われた。張成沢は経済特区の土地使用権を譲渡し、石炭など貴重な資源を中国側に売却した。


54局事業の報告
（※54局…張成沢氏の資金源とされた部署。鉱物資源の管理、銀行業務、貿易などの権限を独占していた。）
54局の事業が停滞する現状に、金正恩が利権を軍に移譲するように是正を指示。

54局責任者　李竜河第一副部長、張秀吉副部長
「張（成沢）部長が承認してくれません。」
この返事に金正恩が激怒。



2013年5月


崔竜海「習指導部は金第1書記を子供扱いにしています。また張成沢は（中国で暮らす）金正男にドル送金しているのです。」


崔竜海が中国へ訪問し、習近平と会談。
中国は2012年8月に訪中した張成沢への国賓待遇で当時の胡錦涛主席が会談した歓待ぶりとは対照的に冷遇。


習近平「張成沢をよこしてもらえないか。」


2013年7月末　張成沢パーティー席上
李竜河第一副部長
「張（成沢）部長同志、万歳！」
張秀吉副部長
「張部長同志の万寿無疆を祝願します！」
（※北朝鮮において、「万歳」を叫ぶ対象となるのは、金日成・金正日の最高指導者以外はご法度。）
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2013年9月
「反党反革命分派行為」により、最高司令官命令001号、作戦名『爆風』発令
張成沢が自宅に軟禁されるとともに、彼の関係者とみなされた7200人が一夜のうちに拘束。

李竜河、張秀吉の処刑
目隠しをされ、300人の前で自動小銃による銃殺刑。罪状は政権を奪おうとした罪。

北朝鮮市民「（上から）金正恩氏への忠誠の手紙を送れといわれている。自分を守るために渋々従っている。」
中国人貿易業者「みんな神経質になっている。中国人との接触も禁じられているようだ。」


張成沢拘束、特別軍事裁判　2013.12.12


張成沢「政変の時期ははっきりと定めていなかった。しかし、一定の時期になって経済が完全に倒産し、国家が崩壊直前に至れば、わたしがいた部署とすべての経済機関を内閣に集中させてわたしが総理になろうと思った。わたしが総理になった後は、今までいろいろな名目で確保した莫大な資金をもって、ある程度生活問題を解決してやれば人民と軍隊はわたしの万歳を叫ぶであろうし、政変は順調に成功するものと打算した。」

張成沢の処刑について
機関銃の銃弾が90発以上撃ち込まれ、遺体は原形をとどめないほど損傷した。居合わせた人に失神者が出るほど残酷だった。
北朝鮮の政権中枢にいた、中国の息がかかった人物はほぼ粛清された。



朝鮮中央放送　2013.12.13
「天下の万古逆賊、張成沢に対する特別軍事裁判が、昨日実施された。死刑に処するものと判決を下し、刑は即時執行された。敵らと思想的に同調し、わが共和国の人民主権を転覆する目的で敢行した国家転覆陰謀行為が共和国刑法第60条に当たる犯罪を構成することを確証した。犬畜生にも劣る人間のゴミ、凶悪な政治的野心家、陰謀家であり、万古の逆賊である張成沢を革命の名の下に人民の名の下に厳しく断罪、糾弾し、刑法第60条により、死刑に処すものと判決を下し、即時執行された。張成沢は、反党・反革命的な分派行為を行い、強くて盛んな国、強盛国家の建設や、人民生活の向上のための闘いを阻害した。鉄やビナロン工業などの発展も妨げた。資本主義に染まって不正腐敗を行い、堕落した生活を送った。あえて金正恩元帥の唯一的指導を拒否し、元帥の絶対的権威に挑戦し、白頭山の血統と一個人を対置させる者をわが軍隊と人民は絶対に許さず、それが誰であれ、どこに隠れていても一人残らず掃き集めて歴史の峻厳な審判台に立たせ、党と革命、祖国と人民の名で無慈悲に懲罰するであろう。」


新年の辞　2014.1.1
金正恩「（朝鮮労働）党内にはびこっていた分派（張成沢）の汚物を除去した。これで団結が100倍強まった。」




「中国による北朝鮮への兵糧攻め」


故金正日総書記
「中国は歴史的にわれわれを最も苦しめた。中国に利用されてはならない。資本主義に転じた中国は修正主義者だ。」



中国は『韓国から朝鮮半島全体を勢力下にする』という方針にシフト。
習主席、韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領を厚遇。



中国→北朝鮮の物流停止
中朝の大規模な貿易事業は中断状態

韓国政府関係者
「金正恩は相当、困っているようだ。2013年12月の張成沢（チャン・ソンテク）氏処刑後、経済的、内政的に金正恩第１書記が窮地に追い込まれている。何が何でも、すぐにでもカネがほしい状況に金正恩は置かれている。」



朝鮮人民軍幹部会議　2014年1月

金正恩「習近平を屈服させるまで、国内に隠れた“中国の犬狩り”に集中できるよう、南側（韓国）と米国から妨害を受けずに北方戦線に集中できるよう大々的に偽装提議を行え。北方戦線に一本化できなければ、南朝鮮（韓国）を果敢に攻め、習近平が自尊心を捨て、慌てて全ての経済・軍事的支援をわが方にするしかないようにさせ、南方戦線に一本化すればよい。」

朝鮮労働党思想活動家大会演説　平壌　2014.2.25
「党内で再び分派（張成沢）が現れたことはわが思想活動家らにも責任がある。現代版分派の正体は、表では帝国主義者らの圧力におじけづき、裏ではブルジョア思想文化に汚染された、堕落した思想的変質体だ。」



2014年4月末
北朝鮮　朝鮮労働党
内部布告文配布
「中国に対する夢を捨てよ」
習近平は、文化大革命の弊害が共産党の抑圧的性向のために発生した。米国側に立ちわれわれの核自衛力を非難する中国は悪い隣人。現在の中国共産党は習近平が自分勝手に運営する、改革開放を追い理念よりお金を前面に出す組織になった。中国は帝国主義者らと同衾し彼らと同じ夢を見ている。中国の援助で進む中朝国境にかかる橋の建設は有事の際、中国軍が速やかに平壌に侵攻するためのものだ。有事には中国を敵とみなせ。



金正恩
「工場や企業が十分に稼働せず、人民にあれこれ生活上の不便を与えているが、人民は苦しい生活の中でも、変わりなくわが党（朝鮮労働党）に従っている。このような素晴らしい人民に、より優れた物質・文化生活を保障してあげ、人民がいつでもどこでも『労働党万歳』と叫ぶことができるようにすべきだ。」


「米韓との対決」

韓米連合訓練「乙支フリーダムガーディアン」(UFG)軍事演習　2012.8.28



金正恩「我慢するにも限度がある。全面的反攻撃戦のための作戦計画を検討し、最終署名をした。」

2014.4.26

金正恩「反米対決戦を目前に控えた今、戦闘準備より重要なことはない。」


朝鮮労働党機関紙　労働新聞　2014.4.26

「われわれは自らの権利を絶対に放棄しないし、敵対勢力の挑戦には超強硬姿勢で立ち向かう。朝鮮半島周辺で合同軍事演習を定期的に実施する米韓は挑発者だ。米国と南朝鮮（韓国）の傀儡（かいらい）による北侵核戦争の挑発策動が続く限り、核抑止力を中枢とする軍事力を強化する。」



北朝鮮　リ・ドンイル国連次席大使　2014.3.25
「米国が軍事演習の名を借りて北朝鮮への「脅迫」を続けるなら、北朝鮮の核抑止力を示す「さらなる措置」を取る。その意味は明らかだろう。準備はできているが自制している。米国の態度次第だ。わが国の核抑止力は、取引や政治的交渉の材料として存在するのではない。」




金正恩「（対米韓攻撃から）戦う準備ができていない！」



崔竜海　朝鮮人民軍総政治局長
「軍の装備が老朽化し、燃料もないため訓練ができません。食料も不足し脱走兵が続出しています。このままでは10年後には軍は戦争できなくなります。軍中には戦争をしても勝算はないとの雰囲気が広がっています。」



金正恩「それを解決するためにあなたを総政治局長にしたのではないか！すぐに辞めろ！」





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随分遠回りしたようですが、ようやくここまでたどり着きましたか。





拉致問題解決はもう成ったも同然ですが、一つ注意点があります。
核と拉致の件は完全に切り離して交渉を行ったほうがいいです。日本が拉致・核の包括的解決を求めだす等、対応を間違ったら、今までのチャンス（拉致問題の進展、解決への道）は水の泡となって消えるでしょうね。理由はまた別の機会に。
ところで北朝鮮は拉致問題の解決への決意は本気です。そのことを一番良く知っているのはモンゴルから帰ってきた横田さん夫妻で…おっと。

それよりも、今回の北朝鮮の動きを拉致問題解決だけで終わらせるのは非常にもったいないです。
北朝鮮はミャンマーに次ぐ、地球上に残された最後の未来の経済フロンティア。長年の政治的な関係悪化により、かの国の野望と影響がシャットダウンされている地域は他にありません。かの国までが北朝鮮に兵糧攻めを始めた今、これは日本にとっては千載一遇のチャンスです。とはいえ、金王朝体制維持が常時保障されていることは必須ですが。

まずは拉致問題解決を切り口にして関係を拡大。世界各国からの兵糧攻めに苦しむ中で、そっと手を差し伸べるように、対日感情の改善と信頼を確立し、日本に引き寄せるのです。
それが実現すれば、かの国の野望に対する包囲網の盤石さの上積みを図ることができるでしょう。





幼き日にお忍びで行ったこの場所の憧憬。
今も金正恩氏の心の奥に深く刻み込まれている。


横田めぐみさんと金正恩

コメント 1

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