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消費増税と原発再稼働→日本の危機増幅 [時事、経済関係]

困難な決断を下せる総理大臣として、野田佳彦首相は日本においてまれな存在になろうとしていると言えるかもしれない。昨年9月の就任以来、野田首相は2つの大きな目標達成を掲げてきた。1つは大震災後に運転を停止した原子力発電所の再稼働であり、もう1つの目標は先進国中最大規模となっている膨大な債務を幾らかでも削減するため消費税の10%への引き上げだ。

日本人は「ガマン」を重んじる。政治的犠牲をいとわずに必要なことを実行するリーダーの登場を長期にわたって待ち望んできた。野田首相はそんな指導者だと一部の評論家は判断したようで、同首相にすり寄っている。だが、そうした尊い地位にふさわしいのは正しいことを実行した場合に限る。私にとって野田首相の政策は、日本がいかに変わっていないかを示す以外の何物でもない。

原発再稼働問題を取り上げてみよう。1億2600万人の民主主義国において3分の2以上の国民が異議を唱える時、指導者は耳を傾けるものだ。再稼働にはそれだけ日本の国民が反対している。野田首相はますます強まる大多数の意見を無視し、関西電力・大飯原子力発電所の2基の運転再開を決定した。大多数は英断だと評価するが、私には影響力のある日本の公益企業から恩恵を受け、新鮮な発想を失った指導者の小手先の判断だと映る。野田首相の増税方針にも同じことが言える。実行は容易で目立つが、新しくて創造的な経済運営を日本の指導者が検討しているのだという信頼を醸成するようなものではない。


増税の影響

日本が間違いなく必要としているのは財政政策を掌握できるようにすることだ。少子高齢化が進んでおり、人口動態の今後の見通しは財政政策と同じくらい暗い。日本人が長寿となることで年金や健康保険制度にもたらす負担は、日本の格付け引き下げリスクを招いており、それは国債の借り入れコスト増大につながる。

それに増税が日本の債務負担を軽減するどころか悪化させたらどうなるか。過去にも日本はそれを試みた。1990年代後半の増税はバブル崩壊後の日本経済を回復できなかった。

増税は日本経済の最後の頼みの綱である消費を落ち込ませかねない、とクレディスイス証券の白川浩道チーフエコノミストは指摘する。野田政権がこれまで力を注いできたことはすべて、日本の活力復活につながらない。増税は国内総生産(GDP)比で208%に相当する日本の債務対策の中心にあるようだが、首相は夢を見ている。


日本の政治空白が改革を装っている間に、財政状況は悪化している。著名投資家ジョージ・ソロス氏の投資アドバイザーを務めた経歴を持つフジマキ・ジャパンの藤巻健史社長は、日本の財政が2017年までに破たんする可能性があるとみる。そうした懸念が発せられるのはニューヨークやロンドンからが多く、日本の財政に携わる重要人物からはまずない。


日本の運命

野田首相を増税推進に追い込んだ人口動態の動向も、投資家を不安にさせている。国際通貨基金(IMF)の予測によると、日本の債務は14年までにGDP比246%に膨らむ見通し。しかし、10年物国債利回りは0.81%と、極端に低い。

そうした低利回りを見れば、デフォルト(債務不履行)は考えられないと日本国債の投資家が予想していることは明らかだ。公的債務の9割強を国内で保有する日本がアルゼンチンやギリシャと同じ運命をたどらないことは十分あり得る。ただ、こうした自己満足を正当化できるだろうか。

権力の座にある人たちへの信頼が原発再稼働をめぐって住民の説得に役立った。唯一の被爆国で今もその後遺症を引きずっている日本が原発をエネルギー網の中核に据えていることは驚くべきパラドックスだ。しかし、そうした信頼は数年前から低下しており、今もその傾向が続いている。

国民は震災前よりも原発が安全になったとは信じていない。日本の国債の安全性について確信がなくなったら、財政への影響は取り返しがつかないことになる。野田首相が状況を改善する闘志のある人物とは到底思えない。
【ウィリアム・ペセック/ブルームバーグ 22日】




自分の考えとほとんど同じなので、取り上げてみました。
日本国債に対する、外国人の保有比率も最近激増していますし、消費税の弊害もXデーに関しても過去何度も述べましたのであえて申しません。

そもそも、国民をないがしろで財務省官僚や、経済団体等の言いなりの為政者達がそのままで居られ続けるほどこの国にはもはや余裕はないのです。
膿みを貯め、垂れ流して虫の息で生きながらえるよりも、いずれにしても避けられない清算をして、再生を図るのがこの国の生きる道です。その再生が早ければ早いほど、傷も浅い。



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